後藤泰観のデジタルアルバム「The Serpentine of Life」を聴きました
いろいろなジャンルがいろいろなコンテンツを出していたステイホーム期間中、仕事があんまりにも忙しすぎてどれも少しずつしか履修できていなかったのですが、今回は久しぶりにヴァイオリン後藤こと後藤泰観氏について書いてみます。
Jr.をお辞めになったあとはGoodiesのヴァイオリン担当として精力的に活動していた後藤さん。
最近はパプリカをカバーしたりMUCCのサポートメンバーとして演奏していたりもします。
そんな後藤さんが5/31にソロでミニアルバムを発売しました!
Goodiresが自前の車で精力的に地方を回っていた営業*1はなくなってしまったし、お店*2は厳しい状況。そんなときにソロアルバムが出るというのは、地方オタにとっては嬉しかったです。
5月末にリリースされたものを今更ブログの記事にするか?という話なのですが、「ヴァイオリン後藤」(最近は本人が自称するようになった)の新しい試みを聴いた感想を残しておこうと思いました。
ただし私は音楽の知識が全くないので完全にフィーリングだし評論もできないので一言メモだよ!
1: Paradise of universe
そもそも、後藤泰観はGoodiesというバンドのメンバーですし、ジャニーズをお辞めになる前も滝沢歌舞伎や少クラには楽器隊として参加していました。いまのGoodiesには天才ツインボーカルがいるというのも大きいと思いますが、ヴァイオリンはイントロと伴奏がメインです。なので今回1曲目を聴いて、ああ本当にソロなんだ!余すところなく聴けるんだ!と嬉しくなりました。
1曲名はJポップのようなAメロ、Bメロという構成ではなく、クラシックの組曲に近い印象。4分と思えないほどいろいろな展開が散りばめられていて、ソロならではの試みにワクワクしましたし、演奏者としての基礎能力が垣間見えました。
2: Parallel dimensions
これぞ後藤泰観!!!
後藤泰観の演奏は細かな音の粒を、すさまじいスピードで確実に積み上げていく。この曲ではその武器が存分に発揮されています。でも一転してのびやかなパートもあり、ただ速弾きがすごいだけではないこともよくわかります。このメリハリがParalel、「平行」であり、dimensions、「面」なのかと想像しました。この曲は生でぜひ見たいなー!このような難しそうな曲をさらりと弾くところに仰天するまでがワンセットなので……。
※私は後藤泰観のことを中国雑技団、あるいは仙人だと思っています
あと、伴奏が打ち込みのようで意外でした。普段バイオリンを聴くときは、バンドメンバーの伴奏付き、あるいは彼の十八番であるツィゴイネルワイゼンみたいにヴァイオリンのみで弾くので、打ち込みは新鮮で面白かったですし、これもソロならではだなと思いました。
3: Aoi the kid
後藤泰観のファンをやっていて面白いのは、お子さんの成長をインスタで追いかけられるところなのですが、この楽曲はまさにそのお子さんをテーマにしています。
クラシックの練習曲や、童謡を彷彿とさせるメロディーの後ろでファミコンみたいな電子音がピコピコ鳴っているのが印象に残ります。楽曲を通して推しの人生に触れられるのは三次元ジャンルならではであり、自分で作曲ができる後藤さんならではの魅力ですね。
4: The little adventure
今度はギロと木琴が印象的な、シンプルでかわいらしい楽曲。
Aoi the kidの余韻を残しつつこの曲に移ったので、あおいちゃんが梅雨のなか雨ガッパを着て冒険をしている姿が浮かびました。
パプリカのカバーでも用いていた多重奏がエンヤのようで美しい。生演奏ではなく、音源として売り出すからこそのアプローチだと感じました。
5:Happy dog
今度は一転してカントリーだー!!!(音楽に疎いので適当。もしかしたらケルトかも)
アコースティックギターの伴奏が草原を感じさせるし、メロディの跳ね回るさまが聴いていて楽しい。これは軽井沢を走るええとこの犬ですね。ルヴァンプライムのCMソングに起用されてほしい。
あとのびやかな高音が美しい……!サビ終わりの一番高いところにうっとりしてしまった。実は後藤さんに沼堕ちするまではヴァイオリンってキィキィうるさい楽器だって偏見があったんです。でも本当に上手い人が弾くとこんなにも綺麗な音が出るんだなあと改めて実感しました。
6:A rocky road
中盤穏やかな曲が続いたのに最後はロック!?
Goodiesは昭和歌謡のカバー曲や、オリジナル楽曲を多数リリースしているのですが、エレキギターの印象は全然ありません。
なのでゴリゴリのロックサウンドが流れ出したときにはとても面食らってしまいました。ですが繰り返し聴いているうちに、少クラでこういう曲をよく演奏されていたことをふと思い出し、締めにこの曲を持ってくることはむしろ自然なことであると納得しました。
総評:雑食ファイターの人生がすべて詰まったアルバム
後藤泰観という人は滝沢歌舞伎や昭和歌謡やGoodiesなど、ヴァイオリンに詳しくない私でも異色と感じる経歴を歩み続けています。1曲ごとに方向性が全く異なるアルバムから、彼はすべての出会いを肯定して己に取り込む雑食ファイターなんだと強く感じました。
タイトルにあるSerpentineという単語、宝石のサーペンタインを意味するのですが、日本語では蛇紋石と言います。紆余曲折を経ての今を、蛇に重ね合わせたのかなと想像しました。
単純に、後藤さんみたいな武器の多い人の演奏は聴いていて楽しい!
8/28にオンライン現場があります
多彩なアルバムがせっかくリリースされたのに、現場がないだなんて本当に悔しいと思っていたら、オンライン有料配信が決まりました!
おは!
— 後藤泰観・ヴァイオリン後藤 (@Hiromi_Gotoh) 2020年8月7日
やっとこさ配信ライブ詳細こちらであります!くれぐれもよろしくお願いします!#violin #violinist #ヴァイオリン #ヴァイオリニスト #後藤泰観https://t.co/hd1H9n3UrG
ご紹介したアルバム楽曲に加え、今回のために用意されたカバー曲も演奏されるとのことです。
ヴァイオリン後藤の超絶技巧をオンラインで、アップで見られるなんてなかなかないので、「最近ヴァイオリン後藤どうしているかな~」だなんて思われたそこのあなた、ぜひ聴いてみてください。アーカイブもありますよ!
*1:今考えたら純烈みたいに沢山営業に行っていたのすごいことだな……