共演者目当てで「歌喜劇/市場三郎~温泉宿の恋」を見に行ったら濵田崇裕氏に魅了された話
それは私のアメリカ留学がいよいよ終盤に差し掛かっていたある日。ツイッターを眺めているとジャニーズWESTの濱田さんが舞台をするという話が目に入りました。しかも、脚本は福田転球さん。
「福田さんって最近は下町ロケットに出ていらっしゃったけど私はやはりマサ子の間男の印象が強いなー。キャストはやはりマサ子の間男のメンバー多い!え、というかシューレスジョーいるの!?ジャニーズの舞台にシューレスジョー!?」
私はジャニーズを好きになる前からずっと芸人さんが大好きで、シューレスジョーさんはそんな芸人さんの一人です。
シューレスジョーさん(以下、シューレスさん)は青年海外協力隊の一員としてジンバブエに行ったり、小倉智昭さんのモノマネで細かすぎて伝わらないモノマネ選手権に出ていたり、はたまた先ほど述べた福田転球さんなどと「マサ子の間男」という劇団でお芝居をしていたりと、いろいろな活動をされている吉本のピン芸人さんです。
そんなシューレスさんがジャニーズと共演。これは何が何でもみたい!私のテンションは一気に最高潮に達しました。
濱田さんの舞台、福田転球さんが脚本か!と思ってたらシューレスジョー!?!?!?!?おいたんが濱田さんと共演!?やばいめっちゃ見たい。これは事件だ!!!!!
— 七那(NANA) (@n7yade) 2016年1月7日
※おいたんとはシューレスさんの愛称です(他の芸人さんよりも遅くに事務所入りしておじさんだったため)
いま見返したら濵の字間違ってますね。すみません……。
しかしながら濵田さんの初主演舞台となれば激戦だろうし、そもそも海外からの申し込みは難しい。ジャニヲタの中でも争奪戦なのに共演者用の特別選考枠など当然ある訳もない。見てみたいけれども無理だろうなあと私は最初からあきらめていました。
するとそれを知った友達が私の帰国祝いにと、自分が持っていた別公演のチケットをわざわざ交換に出してまでチケットを見つけてくれたのです。
感謝してもしきれません。持つべきものはジャニヲタの友。
そういう訳で帰国してすぐの5月14日、私は梅田の地に降り立つこととなったのでした。
いざ会場に着くと客層がとにかく若い!梅田芸術劇場には何度か行ったことがあったのですが、今までで見た舞台の中でダントツに客層が若い。
が、すぐにお笑いライブと似たような客層であることに気づき、落ち着きを取り戻しました。こういうとき複数のジャンルを掛け持ちしていると楽です。
開演前には濵田さんによる出演者紹介VTRがあると知っていたので、ばっちりチェックしました。シューレスさんが特技として野球の牽制球の投げ方を披露していて*1私は本当に今から梅田芸術劇場でジャニーズの舞台を見るのか?ピクとジョー*2の間違いではないのか?と自問自答。
そうこうしていると出演者の大堀こういちさんが前説として登場し、一通りの諸注意を終えると舞台はそのままの流れで始まっていきます。
私は開演前に東京公演で濵田さんに対するキャーがとても多かったというツイートを目にしていたので、舞台を落ち着いて見られるか不安でした。ジャニーズの舞台となればお客は共演者のことなんてどうでもいいと思っているのでは?と。
いざ濵田さんが登場すると、確かに歓声はあったものの予想していたほどに熱狂的なものではなく一安心。正直なところ、序盤は濱田さんが恋愛のシーンを演じたりアクロバットを繰り出すたび歓声があがっていて、内心「濵田さんにそこまで歓声を送るなら他の人の歌にも拍手くらいしたらいいのに……。」と一瞬だけ思ってしまいましたが。
これは私が共演者目当てだったからというのもありますが、それだけでなくどのジャンルにおいても推している人物やキャラよりも全体のストーリーを、アイドルならば所属しているグループ全体の動きを尊重して観るタイプのオタクだからだと思います。
しかし、そんなことは杞憂だったのです。共演者の方々は客席がみんな濵田さん目当てということだなんて承知で、その上であっという間に客席を舞台の世界に引き込んでいきました。
卓球で共演者同志が対決するシーンでの「残念ながら俺たちの戦いに需要はない」というメタ発言、ゲラゲラ笑ってしまうストーリー、そして忘れてはならぬホットパンツ……。
中盤からはみんな舞台すべてに魅了されてしまい、他のキャラクターの見せ場でも拍手が沸き上がるようになったのに、それでも良いシーンの時にもボケをぶっこんで来るのには思わず「もうそんなことしなくてもみんな全員大好きになっちゃったんだから飽きないよ!むしろそのシーンじっくり見させて!」と心の中で叫んでしまいました。
肝心のお目当てであるシューレスジョーさんですが、複数の役を演じていらっしゃり、出番も多いうえ*3小倉さんのモノマネまでやっていてとてもうれしかったです。特に後半ではヒロインの次男役を演じていて、あの哀愁ただよう役をシューレスさんに充てただなんてさすがすぎる……どう考えても小学生には見えないけど……と思っていました。
しかし正直なところ、シューレスさんばかりを見ていたわけではないです。
だって主演の濵田さん、めちゃくちゃ良かったんだもん!!!!!!!
まず何といっても歌が本当に上手い!件の友達からWESTさんのアルバムを借りていたので歌唱力が高いことは以前から知っていました。しかし生歌でもその威力は衰えない!!!なんなら生歌のほうが良い!!!!アカペラミュージカルという歌喜劇にぴったりの伸びのある歌声で、オープニング曲が始まった瞬間から鳥肌が立ちました。いまでも脳内に保存した舞台の楽曲を思い出しては一人でうっとりしています。
あと運動神経すごすぎな……。舞台で当たり前のようにさらりとアクロバットを繰り出していて、しかも回数もすごいもんだから、特撮好きの私もさすがに目玉ひん剝きました。佐野岳*4と共演してくれないかなー。
何よりも一番素敵だなと思ったのはその人柄。共演者のTwitterやブログからもそれは読み取れましたが、舞台上で共演者の皆さまが本当にいきいきとしていらっしゃりましたし、濱田さんと掛け合いをするときとっても楽しそうでした。演技ではなく、本心から。
ヘタレだけど仁義を重んじ、困った人がいれば手を差し伸べる情に熱い男。
市場三郎というキャラクターが濵田さんにぴったりだったのは、きっと濵田さんご自身が本当にそのようなお方だからなのでしょう。
こんな素敵な方の初主演舞台なら、そりゃあ誰しも見てみたいと思うだろうなと激戦の理由に納得しましたし、ファンの皆さんは心からお芝居を楽しんでいて素敵だなと思いました。
事実、私にチケットを譲ってくださった方にも本当に親切にして頂きました。完全アウェイの客層に固まる私に対して「濵ちゃんファンなのー?」と声をかけてくださり、「実はジャニーズも好きなんですがシューレスジョーさんも好きなんです」と返事をした私に怒ることもなく「じゃあ両方見ないとあかんから大変やねー」と仰ったのには感謝してもしきれません。
共演者目当てでジャニーズの舞台を見に行くということはとても難しいことです。行けたとしても、目当ての共演者がないがしろにされている可能性だって十分あります。
しかし市場三郎という舞台は、主演、共演者、ストーリー、そしてお客さん、どれもが素晴らしかったです。これを最高と呼ばずして何と呼ぶのだ。
帰国早々とても素敵なものを見ることができ、本当に幸せな一日を過ごすことができたのでした。
長々と書きましたが、要はとーっても楽しかったです!グアム編ぜひ実現してください!
市場三郎の余韻にまだ浸っている。兼ヲタとしてもいち喜劇好きとしても最高に楽しんだ作品だった。
— 七那(NANA) (@n7yade) 2016年5月14日
最後に、この記事をアップしようとしたところにシューレスさんがブログを更新されたので貼っておきます。ぜひ読んでみてください!