広く浅くで大惨事

ジャニーズとお笑いと特撮とプロレスの4ジャンルを兼任していたらこんなことになりました

「関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!」をお笑いとジャニーズの兼ヲタが見てみた

関西ジャニーズJr.の映画がお笑いを題材にしているということで、お笑いとジャニーズの兼ヲタの私が見に行かないでどうする!と思い見てきました。数年前に一度少年たちを見に行ったのでメインの五人は知っていましたが、残りの人たちのことには疎いので最初見に行こうか迷っていました。ですがフライヤーの藤原丈一郎さんの姿があまりにも芸人さんっぽすぎて爆笑してしまい、見に行くことを決めました。あんな感じの写真、お笑いヲタなら100回くらい見たことありますよね!?(笑)

statan.jp

 

オープニングの漫才のシーンや養成所の様子は「あー、はいはい、お笑いの話だからネタのシーン入れるよねー」くらいの感じで余裕を持っていたのですが、ピンクらくだとエンドレスの立場が逆転し、出待ちがピンクらくだに流れるようになったシーン辺りからフィクションとはとても思えなくなってきて、終始真綿で首を絞められているかのような苦しさがありました。

 

 

 この映画、とにかくすべての描写がリアルすぎるんですよ。脚本家の方が元芸人さん(冷やし中華はじめましたのAMEMIYAさんの元相方)ということで、どの描写も現実のお笑い界とほとんどおなじ。私はドラマのシーンとかで明らかに漫才のネタを書いたことがない人が作ったと思われる漫才ネタを見るのが苦手なのですが、元芸人さんが書いているから漫才のシーンも全く違和感がなかったです。エンドレスの二人の演技も漫才師のそれだった。

ネタに関して細かいことを言うと若手芸人が漫才のテーマとして使いがちなファミレスやコールセンターをネタにもってくる辺りがさすがだし、広場でネタをするのもあるあるだし、最後に旅館で漫才をするシーンで5分のネタ(ゾンビとコールセンター)を2本つなげて10分間の営業ネタにするところなんて本当にお笑いをやっていた人しか思いつかないことのなので見ていて興奮しました。

エンドレスの関係性についてもあるあるすぎて辛かったです。才能のあるボケとヘラヘラしたツッコミなんてオタクは何組も知ってるし、幼馴染コンビが相方というビジネス関係になっていくのもよくある話。そして、そういう人たちが辞めていくのを何度も見てきました。

特に西畑くん演じる高浜がどんどん追い込まれていく姿は見ていて本当に苦しかったです。相方の稲毛くんにバイトを休んでネタ合わせしろと迫るところなんてもう……!少し話はそれるのですが、大昔に高浜くんと全く同じ状況で売れないことを焦った芸人さんが無理をした結果、病に倒れて亡くなってしまったことがあったので、そのことを思い出して「頼むから生きてくれ」と念じずにはいられませんでした。

 

www.youtube.com

その時の話は映画にもなっています。この漫才コンビの生き残った方の娘さんが山田涼介のモノマネをやってる光永ちゃんです。

 

とまあここまで苦しい苦しいと言いまくってしまいましたが、旅館のドタバタ劇から怒涛のエンディングにかけて、この苦しさをひっくり返すパワーがものすごく、見終わった後には爽快感を覚えました。エンドレスの二人が再起を図る姿を通して、お笑いオタクがずっと感じてきた苦しさやもどかしさを綺麗に浄化してくれました。

 

 これはお笑いアカウントの方で書いた感想です。ここで触れているアームストロングとは、かつてとにかく明るい安村さんが組んでいたコンビのことです。幼馴染同士のコンビで仲が良いことで有名だったけれど、方向性の違いによって解散してしまいました。仲が良いことで有名だった二人だけれど、解散のときに「実は何年も口をきいていなかった」という事実が明らかになって、オタクはショックをうけたものです。

何を言いたかったというと、「すでに解散してしまったお笑いコンビがもしも解散せずに済んでいたら……」みたいなifルートを示していたのがこの映画でした。現実じゃなくてあくまでもフィクションの中で示されているもににすぎないから、辛いことに変わりはないのですが、それでもなんだか、救われたような気がしました。

 

芸人さんの描写とストーリーがとにかく凄かった映画でしたが、もちろんキャストのみなさんもすごかったです。エンドレスの二人とピンクらくだの三人が醸し出す「こういう芸人いるよね感」にはオタクとして反応せざるを得ませんでした。

特に藤原丈一郎さんは凄かった……!漫才の時の藤原さん、声の出し方や間、表情すべてが芸人さんと同じでした。ああいうやわらかいツッコミをする人いるよね!ツッコミと言ってもギャーギャー騒ぐんじゃなくて、優しくツッコミながらも一番盛り上げたいときだけ頭をたたくという風にしたのが素晴らしかったです。そうすることで普段の性格も見えてきますもんね。

あのツッコミの仕方、相席スタートの山添さんとそっくりだなと思ってしまいました!お笑いヲタならわかってくれるはず。なんとかして共演してくれないかなあ。

室くんをリアクション芸人にしたのも名采配でしたね!元ジューシーズ、現サルゴリラの児玉さんみたいでした(ピースの又吉さんと同居してる人です)。リチャードくんが冷静なキャラなのは超新塾のアイクぬわらさんみたい。ああいう人コントで女装しがちだよね!向井くんがああして解散しそうな芸人さんの橋渡しをする姿、元ジューシーズの松橋さん(家事エもん)を思い出しました。木下真砂は井下好井みたいだった(笑)

関ジュの皆さんが芸人とい役を本当に上手に演じてくれたことが兼ヲタとしては本当に嬉しかったです!エンディングで踊り出してやっとあの人たちがジャニーズだということを思い出しました。

 

お笑いスター誕生、苦しさも楽しさも全部大真面目に観客に提示し、それを笑いで綺麗に収めてくれたのでとても感動しました。現役の人も辞めた人も、いろんな芸人さんの顔が浮かんで、終わった後もしばし泣きすぎて呆然としていました。

もっともっといろんな人に見てほしいです!お笑いオタには特に見てほしい。そして語り合いたい。

逆に関ジュ担の皆さまには、お笑いオタが抱える辛さとエモさを少しでも感じ取ってもらえればうれしいなと思います。そしてこれをきっかけにお笑いに興味を持ったならぜひ劇場に足を運んでみてください。

 

 

nanayanyade.hatenablog.com

 本当は松竹のライブのチケットの買い方を示すべきなんだろうけど吉本の犬なもんで……。

 

関ジュ担の方と映画の考察もしてみたいので、何かお笑いに関することで疑問に感じたことがあればぜひともお声をかけてくださいな。

以上、兼ヲタがお送りいたしました!